金銭の貸付や金銭の貸借の媒介を業として行うには、貸金業法に基づく登録が必須です。本記事では、登録区分から要件、申請手続き、登録後の義務までを網羅的に解説します。

 

貸金業登録が必要となる業務と登録区分

貸金業とは何か、どの官庁に登録するのかを整理します。

 

金銭の貸付や貸借の媒介を業として行う場合、貸金業登録が必要です。営業所の設置場所により、登録先が異なります。

 

登録区分の種類

貸金業には登録区分があります。

 

都道府県知事登録

1つの都道府県内のみに営業所・事務所を設置する場合

 

財務局長登録

2つ以上の都道府県に営業所・事務所を設置する場合

 

貸金業登録が必要な事業者の例

以下の業務を業として行う場合、貸金業登録が必要です。

  • 金銭の貸付け・借入の媒介を行う事業者
  • 手形割引業者
  • 不動産担保金融業者など事業者向け金融業
  • カード会社・信販会社などの貸付事業者

 

貸金業登録の主な要件

貸金業登録を受けるためには、実務経験、財産的基礎、管理体制など複数の厳格な要件を満たす必要があります。

 

貸付業務の実務経験

  • 法人:役員のうち1名以上が3年以上の貸付業務経験を有すること
  • 個人:申請者本人が3年以上の貸付業務経験を有すること

※営業所ごとに、貸付業務経験1年以上の常勤者を1名以上配置する必要があります。

 

貸金業務取扱主任者の設置

  • 営業所ごとに、従業者50人につき1人以上の常勤主任者を配置

 

財産的基礎

  • 純資産5,000万円以上が必要

 

定款・社内規則

  • 定款の目的に「貸金業」「金銭貸付」「融資」等の記載が必要
  • 貸金業法および監督指針に沿った社内規則の整備が必要

 

営業所と固定電話の確保

貸金業登録では、営業所と固定電話の確保が必須です。

 

固定電話の設置

  • 携帯電話のみでの営業は不可
  • 広告に記載できるのは固定電話・フリーダイヤル(登録簿記載番号)

※悪質業者との区別を目的としています。

 

営業所の確保

賃貸物件の場合、以下いずれかの提出が必要です。

  • 賃貸借契約書の写し
  • 使用承諾書(貸金業目的の使用承諾が明示されていない場合)

 

指定紛争解決機関(金融ADR

貸金業者は、日本貸金業協会が運営する指定紛争解決機関(金融ADR)と手続実施基本契約を締結する必要があります。これは裁判外で紛争解決を図る制度です。

 

指定信用情報機関への加入

個人向け貸付・保証を行う場合、指定信用情報機関への加入が義務付けられています。

 

信用情報とは

ローン・クレジットなどの契約内容、返済状況、借入残高などの情報を指します。

 

貸金業者の義務

  • 契約前に信用情報を照会し返済能力を調査
  • 契約後は信用情報を遅滞なく提供

 

【指定信用情報機関】

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC
  • 株式会社 日本信用情報機構(JICC

 

登録申請の流れ

申請から営業開始までの流れを整理します。

 

1.必要書類の作成・収集

登録申請書をはじめ、社内規則、財産要件確認書類、営業所関連書類など、貸金業法で求められる書類を漏れなく作成・収集します。記載内容の整合性が重要です。

 

2.日本貸金業協会窓口への申請

主たる営業所の所在地を管轄する日本貸金業協会の窓口に申請書類を提出します。北海道の場合は、日本貸金業協会北海道支部が提出先となります。

 

3.書類審査・現地調査

提出書類の内容について形式・実質の両面から審査が行われます。あわせて営業所の現地調査が実施され、実態や設備、電話番号などが確認されます。

 

4.監督官庁によるヒアリング

申請者または担当者が呼び出され、業務内容、貸付方法、内部管理体制などについて詳細なヒアリングを受けます。実務理解が問われる重要な段階です。

 

5.登録通知書の交付

審査・現地調査・ヒアリングを経て問題がなければ、貸金業登録通知書が交付されます。登録後は、6か月以内に営業を開始する必要があります。

 

6.営業開始

登録日の翌日から貸金業としての営業が可能となります。営業開始前までに、指定紛争解決機関との契約や信用情報機関への加入を完了させます。フォームの始まり

 

フォームの終わり

登録申請に必要な主な書類

書類不備のないよう慎重にチェックしましょう。

  • 登録申請書
  • 誓約書
  • 履歴書・業務経歴書
  • 社内規則・組織図
  • 営業所の使用権限書類
  • 財産要件確認書類
  • 住民票・身分証明書
  • 登記事項証明書・定款
  • 主任者研修修了証 など

※貸金業法施行規則参照

 

登録後に必要な義務・規制

登録後も継続的な義務があります。

 

行動規制・総量規制

  • 執拗な取立ての禁止
  • 年収の3分の1を超える貸付禁止
  • 上限金利:20

 

事業報告書の提出

  • 事業年度終了後3か月以内に提出
  • 貸付状況・財産状況・役員従業員状況などを報告

 

手続先・費用

申請先と登録手数料の概要です。

 

【手続先】

日本貸金業協会 北海道支部

札幌市中央区南4条西6丁目8番地

 

【登録手数料】

  • 都道府県知事登録:150,000
  • 財務局長登録:150,000

 

貸金業登録申請は行政書士へ

貸金業登録は要件が非常に厳格で、書類不備や体制不足により不許可となるケースも少なくありません。

 

当事務所では、登録申請から社内規則作成、登録後の届出まで一貫してサポートしています。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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