一般貨物自動車運送事業では、安全運行体制の確保が最も重要な審査項目の一つであり、運行管理者の配置だけでなく、補助体制や点呼実施体制の具体性まで確認されます。

 

とくに新規許可後の巡回指導・監査では、帳簿類の整備状況や点呼の実施方法が重点的に確認されるため、補助者の存在は実務上きわめて重要です。

 

運送業許可申請において意外と忘れがちな運行管理補助者について解説していきます。

 

運行管理補助者とは?

読んで字のごとく運行管理者を補助する人のことです。運行管理者は点呼をすることになっていますが、運行管理者が休みのときや不在のときに点呼を行うのが運行管理補助者です。

 

点呼について

点呼とは、乗務前後における健康状態・酒気帯びの有無・日常点検の実施状況・運行指示内容などを確認する安全確保行為であり、法令上必須の業務です。点呼をしっかり行っていないと巡回指導などで厳しく追及される可能性があります。

 

点呼未実施や虚偽記録は重大違反とされ、車両停止・事業停止・許可取消し等の行政処分につながるケースもあります。

 

運行管理補助者について

運送業許可の申請自体においては運行管理補助者を置くことを義務とはしていませんが、実際は補助者の選任が必要となってきます。特に小規模事業者では、運行管理者が営業・配車業務を兼務することも多く、常時点呼できない状況が発生しやすいため、補助者不在は重大な運営リスクとなります。

 

運行管理補助者になるには?

運行管理補助者になるためには運行管理者基礎講習を修了している必要があります。基礎講習はNASVA(自動車事故対策機構)などの実施機関が行い、修了証の取得により補助点呼が可能となります。

 

運行管理者のように試験に合格する必要はありません。その点、運行管理補助者は要件が軽いと言えます。ただし補助者はあくまで補助的立場であり、最終的な運行管理責任は選任された運行管理者に帰属します。

 

運行管理者基礎講習の受講

運行管理者基礎講習の受講は予約制で、3日間(講習自体は約16時間)かかります。費用は税込み8,900円です。講習では法令、安全管理、過労運転防止、事故防止対策、点呼実務などが体系的に学べるため、実務教育としても有効です。

 

また、将来的に運行管理者試験を受験する際の基礎知識としても役立ちます。

 

運行管理補助者を置く実務上のメリット

運行管理補助者の置くことにより、運送業における健全な経営が強化されるでしょう。

 

点呼体制の安定化

運行管理者不在時でも適法に点呼を継続でき、営業停止リスクを回避できます。

 

労務管理の向上

ドライバーの健康状態や拘束時間を日常的に把握しやすくなります。

 

監査対応の強化

帳簿整備や点呼運用が標準化され、巡回指導への備えとなります。

 

事故防止効果

複数人で安全確認を行うことでヒューマンエラー低減につながります。

 

運行管理補助者選任時の注意点

運行管理補助者を選任するときは、以下の点に注意し対策を講じておく必要があります。

 

名義貸しの禁止

実際に業務へ関与しない形式的選任は違反となる可能性があります。

 

勤務形態の確認

常時点呼可能な勤務時間帯であることが重要です。

 

教育・引継ぎ

点呼手順や記録方法を統一しておく必要があります。

 

記録保存義務

点呼簿・運転日報などは一定期間保存が求められます。

 

まとめ

運行管理補助者の選任は運送業許可申請においては義務とはされていないため、見落としがちです。

 

しかし、実際は補助者を選任しておかないと運行管理者が休みや不在のときに運送業を行うことができないため、選任することが必要になります。

 

また、日々の点呼の帳簿や運転日報の作成を怠ると巡回指導が来たときに最悪の場合、何かしらの行政処分を受ける可能性があります。

 

巡回指導が回ってきたときに慌てないためにも運行管理補助者は選任しておくべきです。

 

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