倉庫業を営むためには、法律に基づき倉庫管理主任者を選任しなければなりません。ただし、誰でもいいわけではなく、定められた基準を満たす人材である必要があります。ここでは、倉庫管理主任者の選任要件と講習の受講について説明していきます。
倉庫管理主任者の選任要件
倉庫業法では、倉庫管理主任者が果たすべき業務内容について以下のように定めています。
火災防止や事故防止のための管理業務
倉庫として使用している建物が火災・事故などによる被害を受けないよう、メンテナンスを行います。
物品の適正な管理業務
倉庫で保管している物品を適切に管理し、入荷・出荷が正しく行われるよう管理します。
労働災害防止への取り組み
倉庫で働く従業員の労働災害を防止するためのさまざまな取り組みを行います。
現場従業員に対する各種研修の実施
倉庫業務のスムーズ化を目的とした各種研修を従業員に向けて実施します。
これらの業務は形式的な配置では足りず、日常点検記録や安全管理体制の整備など、実務として継続的に遂行されていることが求められます。
倉庫管理主任者に求められる2つの選任要件
倉庫管理主任者に求められる選任要件には2つの種類があります。ここでは、2つの要件について説明していきます。
実務経験があること
倉庫管理主任者には定められた基準を満たす実務経験が求められています。以下2つのうちいずれかを満たすことで「実務経験あり」とみなされます。
【実務経験:期間】
倉庫管理業務に関連した3年以上の実務経験があること
【実務経験:役職的経験】
指導的立場あるいは監督的立場として2年以上の実務経験があること
【例外条件】
「国土交通大臣が上記に掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者」も要件を満たす対象となります。
※国土交通省「倉庫業法施行規則等運用方針」参照
実務経験の判断では、単なる作業従事ではなく管理的業務への関与が重視されるため、職務経歴書や在職証明書などで具体的内容を示す必要があります。
倉庫管理主任者の講習を受講済みであること
上に挙げたような実務経験がない場合、倉庫管理主任者講習を受け修了すれば、選任要件を満たすことができます。講習の詳細については次章で説明していきます。
講習修了者を選任する場合でも、倉庫ごとに主任者を配置する必要がある点や、複数倉庫を一人で兼任できるかは施設規模や管理体制によって判断される点に注意が必要です。
倉庫管理主任者講習の詳細
倉庫管理主任者の選任において、実務経験を持つ従業員がいない場合、当該従業員が指定の講習を受け修了することで選任要件を満たすことができます。国土交通省が定める講習とは「倉庫管理主任者講習」を指しています。
受講地
全国各地(固定の地域における定期開催はなし)
※開催頻度や申込期間は地域ごとに異なるため、各都道府県倉庫協会の案内を事前に確認することが重要です。
受講資格
年齢不問・学歴不問ですが、以下に該当する場合は受講が認められません。
- 1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- 倉庫業法第21条の規定による登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
※国土交通省「倉庫業法施行規則等運用方針」より
※講習では、倉庫業法令、施設管理、安全対策、寄託約款の基礎など実務に直結する内容が扱われ、修了後は修了証が交付されます。
受講料
日本倉庫協会の会員であれば受講料は6,000円前後ですが、一般受講では12,000円前後となります。
たとえば2022年8月3日の北海道開催講習の場合、北海道倉庫業連合会会員で5,000円、一般は10,000円となっています。一方、埼玉・群馬・栃木県倉庫協会が開催した2022年6月23日の講習では、会員は7,000円、一般は11,000円です。
料金は一律ではなく、実施会場によって異なりますので事前に確認しましょう。
まとめ
当事務所では、倉庫業の登録を控えて準備中の方々に対して、倉庫業法に基づく申請のサポートや助言を行っています。倉庫業法では倉庫管理主任者選任に関する条件指定だけではなく、倉庫そのものに対しても厳しい基準を設けていますので、専門家がサポートすることで安心して登録申請に臨むことができるでしょう。
特に当事務所では、ご相談者様の抱えておられる問題点を共有するために、十分なヒアリングを行っています。現在どのような状況でどのようなことにお困りなのか、ぜひ一度、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。








