薬局を開設するには、医薬品医療機器等法に基づき、都道府県知事(保健所設置市等では市長)の許可が必要です。本記事では、薬局開設許可の要件や構造設備基準、欠格事由、医薬品販売業との関係について詳しく解説します。

 

薬局とは何か

薬局とは、薬剤師が販売又は授与の目的で調剤業務を行う場所をいい、医薬品の販売業を併せて行う場合はその場所を含みます。病院や診療所の調剤所は、薬局には該当しません。

 

薬局開設許可が必要な理由

薬局は国民の生命・健康に直結する医薬品を取り扱う施設であるため、無制限な開設は認められていません。薬局を開設するには、事前に保健所へ申請し、薬事監視員による立入検査を受け、基準に適合していることが確認された後でなければ営業できません。

 

薬局開設許可の主な要件

薬局の開設許可を受けるためには、構造設備基準・人的基準・欠格事由のいずれも満たしている必要があります。これらはすべて医薬品医療機器等法および関係省令で厳格に定められています。

 

薬局の人的要件

薬局には、調剤及び医薬品販売に従事するため、必要人数の薬剤師を配置しなければなりません。特に、管理薬剤師の設置は必須であり、原則として常勤の薬剤師が選任されます。管理薬剤師は、薬局業務の適正な実施について責任を負います。

 

薬局の構造設備基準

薬局の構造設備は「薬局等構造設備規則」に適合していなければなりません。来局者の安全確保、医薬品の適正管理、調剤の正確性を確保する観点から、詳細な基準が定められています。

 

場所および設備に関する基準

薬局は、外観上薬局であることが明確で、清潔かつ十分な換気が確保されていなければなりません。また、他の店舗や居住スペースと明確に区画され、面積は概ね19.8㎡以上が必要です。照度や医薬品の陳列方法についても細かな基準があります。

 

調剤室の基準

調剤室は6.6㎡以上の面積を有し、一般の来局者が立ち入れない構造でなければなりません。床・天井の材質や衛生面も規定されており、調剤業務の安全性と正確性を確保するための重要な要件です。

 

第一類医薬品に関する設備要件

第一類医薬品を取り扱う場合は、専用の陳列設備を設け、購入者が自由に手を触れられないよう措置を講じる必要があります。営業時間外に閉鎖できる構造であることも求められます。

 

調剤に必要な器具・備品

薬局には、液量器、はかり、調剤台、乳鉢・乳棒など、調剤業務に必要な器具を備えなければなりません。また、調剤に必要な書籍(電子媒体を含む)を常備する義務があります。

 

試験検査設備が必要な薬局

一定の薬局では、顕微鏡やpH計など、試験検査に必要な設備・器具を備えることが求められます。これらは薬事法施行令に基づく追加要件です。

 

放射性医薬品を取り扱う場合の特則

放射性医薬品を扱う薬局では、耐火構造の貯蔵室や遮へい設備、施錠設備、標識の設置など、通常の薬局よりも厳格な構造設備基準が課されます。数量・濃度が一定以下の場合には例外規定があります。

 

欠格事由

薬局開設者は、医薬品医療機器等法第5条に定める欠格事由に該当してはなりません。過去の許可取消し、一定期間内の刑罰歴、薬事関連法令違反、麻薬中毒者などに該当する場合は、許可が認められません。

 

医薬品販売業の形態と薬局との関係

医薬品販売業には、店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3種類があります。薬局は、調剤を行う施設である点で店舗販売業とは異なりますが、一般用医薬品を販売する場合には、販売方法や情報提供義務などの規制も併せて遵守する必要があります。

 

薬局開設許可申請の手続きの流れ

薬局開設許可は書類提出だけで完了するものではなく、事前相談から立入検査まで複数の工程を経て進められます。

 

一般的には、保健所への事前相談を行い、平面図や設備計画について確認を受けたうえで申請書類を提出します。その後、薬事監視員による施設検査が実施され、構造設備や人員配置が基準に適合していると判断された場合に薬局開設許可証が交付されます。

 

準備不足のまま申請すると是正指示により開設時期が遅れるおそれがあるため、事前調整が重要です。

 

薬局開設許可と保険薬局指定の関係

薬局開設許可を取得しただけでは保険調剤を行うことはできません。処方箋に基づく調剤報酬を請求するためには、別途、厚生局から保険薬局の指定を受ける必要があります。保険薬局指定は毎月の審査スケジュールに基づいて行われ、指定日が原則として翌月1日となるため、開設時期を見据えた申請スケジュール管理が欠かせません。

 

薬局開設後に必要となる主な届出・義務

薬局開設後は、管理薬剤師の変更届、営業時間変更届、構造設備軽微変更届など、状況に応じた各種届出義務が発生します。

 

また、6年ごとの許可更新や、定期的な立入検査への対応も求められます。これらを怠ると行政指導や業務停止の対象となることがあるため、開設後のコンプライアンス管理も重要です

 

薬局開設許可申請のサポートは行政書士へ

薬局開設には、専門的な法令知識と実務対応が不可欠です。当事務所では、構造設備基準の確認から申請書類作成、保健所対応まで一貫してサポートしております。薬局開設をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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