すでに運送業許可を持っているが、事業拡大のために営業所を増やしたい。そのような場合はどのような手続きが必要なのでしょうか?

 

営業所の新設は単なる届出ではなく、事業計画そのものを変更する重要な手続きであり、無認可のまま営業を開始すると行政処分の対象となる可能性があります。

 

今回は営業所の新設について概要を説明します。

 

計画変更認可申請

新たに営業所を新設する場合は計画変更認可申請という手続きをする必要があります。注意点として申請書の提出先は既存の営業所の管轄の運輸支局ではなく、新たに営業所を設置する場所を管轄する運輸支局になります。これは新設営業所の施設基準や運行管理体制を、当該地域を管轄する運輸支局が個別に審査する必要があるためです。

 

認可が下りるまでの期間

計画変更認可申請の標準処理期間は2~3か月です。つまり、早ければ2か月で認可がおります。ただし、提出した申請書に補正などが入るとその分認可が下りるまでの期間は長くなります。繁忙期や書類不備の程度によっては、実務上3か月以上かかるケースもあるため、事業開始予定から逆算した早期準備が重要です。

 

営業所新設の流れ

営業所を新設するために申請をしてから実際に新たな営業所で事業が開始できるまでの大まかな流れは以下の通りです。基本的には新規運送業許可のときとあまり変わりません。

  1. 新営業所の車庫、営業所、休憩所の場所の確保
  2. 車両の確保
  3. 運行管理者、整備管理者、運転手の確保
  4. 計画変更認可申請の書類の作成と提出
  5. 認可が下りる
  6. 事業用自動車等連絡書の交付
  7. 車両の変更もしくは移転登録
  8. 運輸開始

 

提出する申請書が変わっただけで新規運送業許可申請とほとんど同じだということがおわかりいただけたかと思います。

 

先ほども申し上げましたが、申請書の提出先は既存の営業所を管轄する運輸支局ではなく、新設する営業所の場所を管轄する運輸支局です。もちろん管轄する運輸支局が既存の営業所と同一なら同一の運輸支局ですが、同一事業者内であっても営業所単位で管理体制を整備する必要がある点に注意が必要です。

 

営業所新設の要件について

要件についても新規運送業許可とだいたいは同じですが、一部要件が緩和されていたり、新設時特有の要件もあります。特に既存事業の運営状況(重大事故歴や行政処分歴など)が審査に影響する場合があります。

 

申請者の要件

基本的には新規申請と要件が同じですが新設の場合は以下の要件が追加されています。

 

・申請者がすでに一般貨物自動車運送事業許可の取得をしている事業者であること。

 

既に運送業許可を持っている事業者が営業所を新設するのだから当然といえば当然の要件です。

 

人の要件

新規申請同様、新設する場合もその営業所ごとに運行管理者、整備管理者、運転手が必要です。営業所ごとの選任人数は配置車両数に応じて増減するため、人員計画を事前に整理しておく必要があります。

 

施設の要件

これも新規申請の要件と全く同じです。営業所、車庫、休憩所のある場所が市街化調整区域でないことや農地法に抵触しないかなどです。加えて、車庫と営業所の距離制限や前面道路幅員など地域ごとの細かな基準にも適合する必要があります。

 

車両の要件

これも新規申請の要件と全く同じです。車両を営業所ごとに最低5台確保すること。車検証の用途の欄が貨物になっていること。保険に加入していることなどです。リース車両を使用する場合は、使用権原や契約期間が事業計画と整合しているかも確認されます。

 

資金の要件

営業所新設においては資金の要件はありません。すでに運送業許可を持っているため資金の証明は不要ということです。そのため、残高証明書の提出などは必要ありません。ここが新規申請との大きな違いです。

 

まとめ

営業所新設に必要な計画変更認可申請の概要を説明しました。基本的には新規申請と同じですが、資金の要件が不要という点に注目です。また、申請書の提出先にも注意です。新規申請同様、施設の要件は市街化調整区域に該当しないかなど事前に調査が必要です。時間や費用を浪費しないためにも専門家に相談することをお勧めします。

 

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