一般貨物自動車運送事業許可(運送業許可)には申請の際にクリアしなけれなばらない要件がいくつかあります。今回はその中でも特に重要な部分を2つピックアップしてご紹介します。以下の通りです。
- 資金について
- 営業所と車庫について
それぞれ説明していきます。
1.資金について
運送業許可を取得するためには運送業を適正に営むことができるだけの資金があることを証明する必要があります。そのため、申請時と申請の約2か月後に残高証明書の提出を求められます。そのどちらか一方でも資金が不足していると運送業許可を取得することができません。では、運送業許可を取得するためには、どれくらいの資金が必要なのでしょうか?
資金審査では「開業前に必要な資金」と「開業後しばらくの運転資金(人件費・燃料費など)」を合算して見ます。見積り根拠(賃料・リース料・保険料など)の合理性も重要です。
事業開始に必要な資金の算定と残高証明
運送業許可申請の際に提出する書類の中に事業の開始に必要な資金を示す書類があります。これは運送業を開始する前及び、開始後にかかる費用などを概算で算出して示します。2回の残高証明書の提出の際にはこの金額以上の資金が必要となります。下回っていると運送業許可がおりません。
「申請時」と「申請の約2か月後」の2回とも、原則として同一名義(法人なら法人名義)の預金残高で確認されます。通帳コピーではなく金融機関発行の残高証明書が求められる運用が一般的です。
必要資金の算定では、例えば次のような費目が入りやすいです。
・車両購入費/リース初期費用、登録関連費用
・任意保険料(対人対物・車両・貨物)
・営業所賃料、車庫賃料、敷金礼金、仲介手数料
・人件費(ドライバー、運行管理者、整備管理者等)
・燃料費、高速代、修繕費、タイヤ等消耗品
・通信費、事務用品、会計・申請関連費用 など
運送業許可に必要な資金の目安
次に具体的に運送業許可で必要な資金の目安についてお話します。運送業に使用する営業所などが自己所有か、賃貸かどうかで必要な資金は上下しますが、おおよそ1500万円~2500万円です。正直これだけの資金をいきなり用意するのは難しいと思います。運送業許可の新規参入のハードルが高いと言われるのはこのためです。
車両を「購入」か「リース」か、営業所・車庫が「自己所有」か「賃貸」かで初期費用が大きく変わります。見積書や契約書(案)を用意して、算定根拠を示せる形にしておくと審査がスムーズです。運送業許可の申請する際はあらかじめ余裕をもって資金を準備することをお勧めします。
2.営業所と車庫について
運送業において営業所と車庫については必ずおく必要があります。営業所と車庫はどこにでも設置して良いわけではなく細かく条件が定められています。その条件を満たしていないと、いくら立地が良くて事業者様にとって都合がよい場所でも営業所と車庫を置くことができません。
営業所・車庫の審査は、主に「都市計画(用途地域・市街化調整区域等)」「建築基準(用途変更等)」「車庫の出入口・幅員・接道」「近隣への安全配慮」などで判断されます。契約前の事前調査が重要です。
市街化調整区域に関する注意点
いくつか条件がありますが特に注意していただきたいのが、市街化調整区域です。市街化調整区域というのは原則的に新たに建物を建てることができない区域のことです。そのため、基本的には営業所や車庫が市街化調整区域内にあると、運送業許可申請ができません。
ただし、既存建物の用途や許可の有無、自治体の運用によっては例外的に使用が認められるケースもあるため、「都市計画課等への確認」「農地転用の要否」「開発許可の要否」まで含めて個別判断が必要です。
自宅を営業所にする場合の落とし穴
自宅を営業所にする場合にすでに建物が建っているのだから問題ないだろうと思っていたら、実は市街化調整区域内で営業所として使用できないといったケースもあります。そのため、営業所や車庫を設置する予定の土地が市街化調整区域になっていないかどうかは必ずチェックしてください。
賃貸物件を営業所にする場合は、賃貸借契約書に「事業用(運送業の営業所として使用可)」等の記載や、貸主の使用承諾書が必要になることがあります(居住用契約のままだと不可になりやすいです)。
その他の立地・構造に関する条件
営業所にするために土地を購入したは良いものの実際は営業所として使用できなかったとなると、費用と労力が無駄になってしまいます。他にも、すぐ近くに大きな交差点がないか、農地法に抵触しないか、車庫は車両を全て停めるための十分な面積があるか、車庫の出入り口の幅員は十分に確保されているかなど様々な条件があります。
車庫については「車両の収容可能台数(配置図で確認)」「前面道路幅員」「出入口の形状」「他用途との区画」などがチェックされます。近隣クレーム対策として、騒音・アイドリング・早朝深夜出入りの運用ルールも整えておくと安心です。
また、営業所と車庫の距離に上限が設けられている運用(例:一定距離内)があるため、候補地が離れすぎていないかも事前に確認が必要です(地域の運輸支局の取り扱いにより差があります)。
まとめ
今回は運祖業許可申請においてヤマとなる資金の要件と営業所、車庫について紹介しました。要件を一つでも満たせないと運送業許可は取得できません。車庫や営業所の候補地が条件をクリアしているかどうかの調査は専門家に依頼される方も多いです。
運送業許可申請において何か気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。








