抹消済み車両や車検切れ車両を業務として自走回送するには「回送運行許可」が必要です。本記事では、回送運行許可の概要から種類、許可基準、申請手続きの流れ、必要書類までを体系的に解説します。
回送運行許可(自動車回送運行許可)とは
回送運行許可とは、いわゆるディーラーナンバーを使用し、登録を受けていない自動車等を業務として道路走行させるための許可制度です。
抹消済み自動車、車検切れ車両、未登録車両は原則として公道を走行できませんが、回送運行許可を受けることで、自動車製作・販売・陸送を業とする事業者に限り、業務上必要な回送が認められます。
回送運行許可の種類
回送運行許可は、事業内容に応じて大きく3種類に区分されています。申請時には、どの業態に該当するかを明確にする必要があります。
製作
自己の製作に係る自動車を回送するための許可です。完成検査や納車前移動など、製造工程に付随する回送が対象となります。
販売
自動車の販売等に伴い必要となる回送を行うための許可です。展示場間移動や納車準備など、販売業務に付随する回送が該当します。
陸送
他人から委託を受け、指示された場所間を回送するための許可です。いわゆる自動車陸送業者が対象となります。
回送運行許可の許可基準
回送運行許可を受けるには、以下の基準を満たすことが求められます。審査基準の運用は地方運輸局ごとに異なる点に注意が必要です。
一般的な許可基準
回送自動車の運行が適正に行われる体制を有しているかどうかが、総合的に判断されます。
(1)法令、通達及び定めを遵守して回送自動車を運行すると認められること
(2)許可証および番号標を適切に管理できること
(3)自動車の製作、販売又は陸送を業とする者であること
(4)新規または継続の許可基準に適合していること
(5)その他必要と認められる事項
新規許可の基準
新たに回送運行許可を取得する場合には、一定以上の事業実績(または計画)が求められます。
製作を業とする者
月平均製作台数が10両以上であること。
販売を業とする者
月平均販売台数が10両以上であること。
陸送を業とする者
月平均陸送台数が30両以上であり、回送業務全体で常用運転者数が7人以上であること。
※やむを得ない事情が認められる場合は、基準が緩和されることがあります。
継続許可の基準
既に回送運行許可を取得している事業者が更新を行う場合の基準です。
製作・販売を業とする者
回送運行許可番号標の使用実績が、月平均5両以上であること。
陸送を業とする者
回送運行許可番号標の使用実績が月平均20両以上であり、常用運転者数が7人以上であること。
回送運行許可申請に必要な書類
申請時には、事業実態や管理体制を確認するため、多数の書類提出が求められます。
主な提出書類
- 回送運行許可申請書
- 商業登記簿の謄本又は住民票
- 運転者等に対する法令関係研修の実施状況
- 運転者等に対する法令関係研修の実施計画
- 社内取扱内規を記載した書面
- 管理責任者等の営業所への配置計画
- 製作・販売・陸送を業とすることを証する書面(業態別)
- 最近3ヶ月間の製作・販売・陸送実績(または計画)
- 運転者名簿(陸送)
- 回送委託者一覧表(陸送)
回送運行許可申請の手続きの流れ
申請から許可取得までは、書類審査と実地確認を含めた段階的な手続きとなります。
【1】事前準備
要件確認、必要書類の収集、社内規程や研修体制の整備を行います。
【2】申請書作成・提出
必要書類を整え、管轄の運輸支局等へ申請します。
【3】行政担当官による実地検査
営業所において、管理体制や書類内容の確認が行われます。
【4】許可
審査を通過すると、回送運行許可が認められます。
【5】許可証交付等申請
許可証および番号標の交付手続きを行います。
【6】回送運行許可証の交付・番号標の貸与
ディーラーナンバー(赤ナンバー)が貸与され、業務として回送が可能になります。
手続先・窓口
回送運行許可は、営業所を管轄する運輸監理部等を経由して申請します。
手続先
営業所を管轄する運輸監理部/運輸支局/検査登録事務所 経由
地方運輸局長 宛
窓口(例)
札幌市運輸支局
〒065-0028
札幌市東区北28条東1丁目
関係法令
- 道路運送車両法
- 道路運送車両法施行令
- 道路運送車両法施行規則 等
回送運行許可申請のサポートは当社へ
回送運行許可は、実績要件や管理体制の整備が重視され、書類量も多く専門性が高い手続きです。当社では、申請書作成、書類整備、実地検査対応の助言まで一貫したサポートを行っています。
面倒で複雑な回送運行許可申請は、ぜひ当社にご相談ください。








