そもそも貨物利用運送事業とは?
貨物利用運送事業とは、自らは荷物を運送せず、荷主から有償で依頼を受けて他の実運送事業者に運送を依頼する事業のことを言います。自らは荷物を運送しないためトラックなどの輸送手段を持つ必要がありません。端的に言うと、自分では荷物を運ばず貨物配送の手配のみを行い、運賃をもらうということです。
貨物利用運送事業は「貨物利用運送事業法」に基づく登録・許可制度であり、無登録で有償の取次ぎを行うと行政処分や罰則の対象となるため注意が必要です。物流業界では「水屋」と呼ばれたりします。貨物利用運送には第1種と第2種があります。
第1種貨物利用運送事業
第1種はある荷物の配送の一部分の手配をします。つまり、自ら輸送手段を持たず荷主の依頼に基づき実運送事業者を手配し、区間単位で有償の運送取次ぎを行う事業、ということになります。
第2種貨物利用運送事業
第2種はある荷物の配送の全てについて手配します。つまり、利用運送に加えて集荷・配達などの実運送に準ずる業務を含むため、許可要件や手続きが第1種より厳格になります。
一例として、ある荷物を北海道から千葉県を経由して福岡県まで配送するとします。北海道→千葉県間の配送のみを手配するのが第1種、北海道→千葉県→福岡県の全ての配送を手配するのが第2種です。
貨物利用運送の申請は9割が第1種です。以降、貨物利用=第1種貨物利用とします。
貨物利用許可の要件の概要
貨物利用の許可要件は大きく分けて3つです。
・営業所の要件
・資金の要件
・人的要件
このほか、事業計画の妥当性や運賃料金設定の適正性なども審査対象となり、形式的に要件を満たすだけでは登録できない場合があります。
営業所の要件
運送業許可を取得には必ず営業所(事務所)を設置しなければしなければなりません。この営業所は都市計画法、農地法、建築基準法などの関係法令等に抵触していない建物である必要があります。
特に市街化調整区域に該当していると問答無用で営業所などの建物を建てることができないため注意が必要です。また、必置ではないですが、荷物の保管施設を置く場合は保管施設の建物についても上記の要件を満たす必要があります。
加えて、事務所として独立性があり、事業実態を確認できる設備(机・通信手段・帳簿管理体制等)が整っていることも求められます。
資金の要件
一定の資金力が求められます。法人であれば純資産が300万円以上、個人事業主なら事業主個人の現金預貯金が300万円以上必要です。審査では直近の決算書や残高証明書などにより客観的な資金裏付けが確認され、不足している場合は申請が認められません。
人的要件
法人の場合は役員全員、個人事業主の場合は事業主が欠格事由に該当していると運送利用許可を取得できません。欠格事由をここで全て列挙することは難しいですが、簡単に説明すると一定の刑罰を受けたり、利用運送事業に関する不正をしてから2年以内の人は欠格事由に該当します。
また、適切な業務管理体制を確保する観点から、運送実務に関する知識や経験を有する者の関与が望ましいとされています。
貨物利用の営業までにかかる時間
大まかな申請の流れは次の通りです。書類の作成・収集をして申請書類を提出し、提出した書類の審査をしてもらい、問題なければ登録通知書が交付されます。その後、登録免許税を納付し、運賃料金設定届出書を提出して営業開始となります。
申請先は営業所所在地を管轄する地方運輸局等であり、書類不備や追加資料の提出が求められると審査期間が延びることがあります。慣れた方でも書類の準備に約1~2週間、審査に2~3ヶ月で営業開始まではおおよそ4ヶ月はかかるでしょう。繁忙期や地域差によっては、さらに時間を要する場合もあるため、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。
まとめ
貨物利用の要件について大まかに説明させていただきました。貨物利用は運送業許可などと比べて要件が緩いため新規申請がしやすいかと思います。ですが、もちろん必要書類の作成収集などはしっかりと行わなければなりません。ご自身だけでの申請は不安だという場合は我々のような専門家にご相談ください。








