建設業許可取得後の諸手続きについて
建設業許可を受けた後、毎年の事業年度終了後4ヶ月以内に建設業決算届を提出する必要があります。もし、毎年の建設業決算届が一度でも抜けていれば建設業許可の更新を受けられなくなりますので注意しなければなりません。
建設業決算届は、建設業法に基づき許可業者の経営状況や施工実績を行政庁が把握するための重要な報告義務であり、提出の有無は更新審査にも直接影響します。
なお、建設業決算届が遅れた場合(4か月後)でも、決算届は受付されますので、きちんと毎年手続きを取るようにします。
ただし、遅延が常態化している場合は行政指導の対象となる可能性があり、金融機関や発注者からの信用面にも影響するおそれがあるため、期限内提出を徹底することが重要です。
建設業決算届をしたくないという理由からずっと決算届を放置し、建設業許可を失効させたあとに新規で建設業許可を取る方がまれにいますが、法令違反ですので絶対にそのようなことがないようにしましょう。
また以下の通り、申請事項に変更があった場合には、その都度、届出する必要があります。この場合も、許可の失効を意図的に利用して手続きを回避する行為は、行政庁から不誠実と判断される可能性があり、将来的な許可取得や入札参加資格にも不利益を及ぼすおそれがありますので注意しましょう。
変更届出が必要となる主なケース
以下の通り、申請事項に変更があった場合には、その都度、届出する必要があります。
| 変更等の事項 | 提出時期 |
|---|---|
| 商号または名称・営業所の名称・所在地または業種の変更 | 変更後30日以内 |
| 営業所の新設 | |
| 営業所の廃止 | |
| 営業所の業種追加 | |
| 営業所の業種廃止 | |
| 資本金額の変更 | |
| 役員の新任、退任、辞任 | |
| 代表者の変更 | |
| 役員の氏名の改姓、改名 | |
| 支配人の新任、退任 | |
| 令第3条に規定する使用人の変更 | 変更後2週間以内 |
| 経営業務の管理責任者の変更、追加 | |
| 経営業務の管理責任者の氏名の改姓、改名 | |
| 専任技術者の担当業種・有資格区分の変更、追加 | |
| 専任技術者の氏名の改姓、改名 | |
| 経営業務管理責任者の削除 | |
| 経営業務管理責任者の要件を充たさなくなった | |
| 専任技術者の削除 | |
| 専任技術者の要件を充たさなくなった | |
| 欠格要件に該当することになった | |
| 国家資格者等・監理技術者の有資格区分の変更、追加、削除 | 事業年度終了後4ヶ月以内 |
これらの変更届は、提出期限を過ぎると更新手続きが受理されない、または追加資料の提出を求められるなど、実務上大きな支障を生じる可能性があります。特に、経営業務の管理責任者や専任技術者に関する変更は許可要件そのものに関わるため、事前に後任者を確保したうえで速やかに届出を行うことが重要です。
廃業届
建設業を営む事業所が代表者の死亡や破産などで営業の継続が困難となった場合には廃業届を提出する必要があります。
| 廃業等の届出事項 | 提出時期 |
|---|---|
| 許可を受けた個人の事業主が死亡したとき | 変更後30日以内 |
| 法人が合併により消滅したとき | |
| 法人が合併または破産以外の事由により解散したとき | |
| 許可を受けていた建設業を廃止したとき | |
| 会社が破産したとき |
廃業届を適切に提出しないまま放置すると、行政記録上は許可業者として残り続け、不要な行政指導や通知が届く原因となるほか、関係者に誤解を与えるおそれがあります。
廃業届の届出をすべき者は以下の者とされています。
・相続人(配偶者、直系尊属、子など)
・役員であった者
・清算人
・法人の場合は代表者(申請人)または代表者(申請人)以外の役員、個人の場合は本人
・破産管財人
誰が届出義務者に該当するかは状況により異なるため、死亡や解散などの事実が生じた場合には、速やかに専門家や行政庁へ確認することが望まれます。
建設業許可維持のために重要なポイント
建設業許可は取得して終わりではなく、取得後の継続的な法令遵守によって初めて維持されます。特に「毎年の決算届」「期限内の変更届」「適切な廃業届」の3点は許可管理の基本事項であり、これらを怠ると更新不可や許可取消しにつながる可能性があります。日常業務が忙しい事業者ほど手続き漏れが起きやすいため、年間スケジュールを作成し、早めに準備する体制づくりが重要です。
まとめ
建設業許可取得後は、毎年の決算届提出をはじめ、商号変更や役員変更などの各種変更届、さらには廃業時の届出まで、多くの法定手続きが継続的に求められます。これらを期限内に適切に行わなければ、許可更新ができなくなるだけでなく、法令違反と判断されるおそれもあります。
建設業許可を安定的に維持するためには、取得後の手続きを正しく理解し、継続的に管理していくことが不可欠です。手続きに不安がある場合は、建設業許可に精通した専門家へ相談しながら手続きの準備を進めていくといいでしょう。








