社会福祉法人とNPO法人は非営利活動を行うという点で共通しているため、比較されることもたびたびありますが、社会福祉事業に指定されている事業を営むことができるのは社会福祉法人だけです。

 

また、両者は同じ「非営利法人」であっても、設立手続きの難易度や行政関与の程度、実施できる事業の範囲、資金調達方法などに大きな差があります。制度の違いを理解することは、どの法人形態を選択すべきか判断するうえで大切になってくるでしょう。

 

ここでは、社会福祉法人とNPO法人の違いについて説明していきます

 

設立要件や事業内容の違い

非営利活動を行う点が共通しているため、社会福祉法人と比較されることが多いNPO法人ですが、実はその設立要件や活動内容は社会福祉法人と大きく異なっています

 

特に重要なのは、「誰でも比較的設立しやすい市民活動法人」であるNPO法人と、「厳格な審査を経て設立される公益性の極めて高い法人」である社会福祉法人という制度的な位置づけの違いです。

 

NPO法人

NPO法人は、定款を作成し認可を受けることで自由に設立することができます。NPO法人も医療にかかわる活動をすることがあり、「保健、医療または福祉の増進を図る活」は特定非営利活動にも指定されています。高齢者や障害者に対する介護サービスなどが代表的です。

 

さらに、NPO法人は20分野の特定非営利活動を目的としていれば設立可能であり、福祉分野に限らず、まちづくり、環境保全、国際協力、子どもの健全育成など幅広い公益活動を行える点が特徴的です。

 

一方で、NPO法人は行政による直接的な運営監督や手厚い財政支援が前提とはされておらず、事業の継続性や財政基盤は法人自身の努力に委ねられる部分が大きいといえます。

 

社会福祉法人

社会福祉法人の設立要件は厳しく定められており、定款内容はもちろんのこと、資産状況など細かな確認を受けてようやく法人設立にいたります。設立にあたりこれほど手続きが厳しいのも、その事業内容が利用者の生活に直結する社会福祉事業であるためです。具体的には高齢者福祉施設の運営や障害者支援施設の運営などが挙げられ、一定以上のサービスの質と安定的な運営が強く求められる分野であることがわかります。

 

また、社会福祉法人は、都道府県や政令指定都市など所轄庁による継続的指導監督を受ける点も大きな特徴です。これは利用者保護と事業の安定性確保を目的としており、一般の非営利法人よりも高い公共性が求められています。

 

社会福祉法人を設立する際の注意点

社会福祉法人は人の生活に直結する公共性の高い事業を行うため、行政からの支援が充実している点が特徴的です。

 

その反面、自由度の高い事業運営や利益配分は認められておらず、あくまで社会福祉事業を安定的に提供することが最優先となります。この点はNPO法人との大きな違いといえるでしょう。

 

充実の支援制度

では、行政からの充実した支援制度について、詳細を整理しておきましょう。

 

【施設設備への補助】

利用者の福祉環境を整えることを目的として、社会福祉施設整備補助金地域介護・福祉空間整備等交付金といった補助制度が整備されています。これらの補助制度は、一定の要件を満たす社会福祉法人に対して大規模な施設整備費用を支援するものであり、民間法人では得にくい大きな財政的メリットといえます。

 

【税制優遇】

社会福祉法人の高い公共性を維持する目的から、さまざまな税制優遇を受けることができます。具体的には、法人税や固定資産税、寄附などに関する優遇政策を挙げることができます。特に寄附金については、寄附者側にも税制優遇が認められる場合があり、安定した資金調達につながる仕組みが整えられています。

 

厳しい設立要件

一方、先に述べた通り、極めて公共性の高い社会福祉法人はその設立要件が厳しく設定されており、大きく分けると役員などに関する要件と資産などに関する要件をクリアしなくてはなりません。さらに、事業計画の妥当性、継続的な運営体制、人材確保の見込みなどについても実質的な審査が行われるため、準備には相当の時間と労力を要します。

 

役員などに関する要件

社会福祉法人を設立するためには、評議員・理事・監事を設置する必要があり、以下のような条件を満たすこととされています。

  • 定められた人数を満たすこと(超えない、不足しないこと)
  • 役員やその親族などに対する就任制限
  • 専門的知識を持つ者の任命 など

 

資産などに関する要件

社会福祉施設を運営しているかどうかによって、資産要件は変わってきます。厚生労働省によれば、原則および特例について次のように定められていることがわかります。

 

施設を経営する法人の資産要件

◆原則

事業を行うために直接必要な物件について、所有権を有しているか国もしくは地方公共団体から貸与あるいは使用許可を受けていること。

◆特例

以下の施設を設置する場合に、特例の取扱いがある。

(1)特別養護老人ホームを設置する場合

(2)身体障害者更生援護施設を経営する既設法人が身体障害者福祉ホームを設置する場合

(3)小規模障害者通所授産施設を設置する場合

(4)施設を経営する既設法人が通所施設を設置する場合

 

施設を経営しない法人の資産要件

◆原則

原則として1億円以上(委託費等で安定的な収入が見込める場合は、所轄庁が認める額)の基本財産を有していること。

◆特例

以下の事業の経営を目的として法人を設立する場合の基本財産額については、一定の要件を満たした場合に緩和している。

(1)居宅介護等事業(いわゆるホームヘルプ事業)の経営

(2)地域・共同生活援助事業(いわゆるグループホーム事業)の経営

(3)介助犬訓練事業又は聴導犬訓練事業の経営

※厚生労働省資料参照

 

まとめ

当事務所では社会福祉法人の設立サポートを行っております。社会福祉法人の設立要件は特に厳しく、また法令なども改正されることがあるため、法律の専門家にぜひご相談ください無料相談をご用意していますので、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

 

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