「もしかしたら当たるかもしれない」「勝つかもしれない」といった、いわゆる射幸心を刺激するような遊技を提供する場合、その店舗は風俗営業許可を取得しなければなりません。マージャン店(麻雀店)もその1つです。
風俗営業許可の申請から取得までは通常おおよそ2か月前後の期間を要し、その間は営業を開始することができません。物件契約や内装工事のスケジュール管理が重要になります。
ここでは、適用される風営法の種類と許可申請における注意点について説明していきます。
マージャン(麻雀)店は風俗営業4号の対象
風俗営業4号の基本的な定義は、「麻雀屋、パチンコ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」であるとされています。ポイントは「射幸心をそそる」という部分にありますので、マージャン(麻雀)店だけではなく、パチンコ店なども該当することになります。
「まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」
※風営法第2条第1項第4号
風俗営業4号に該当する営業は、営業時間についても深夜0時から午前6時までの営業が原則として禁止されており、地域条例により例外が設けられる場合があります。
遊技料金の規制
風俗営業4号に該当するマージャン(麻雀)店の遊技料金は、上限が厳密に定められています。料金上限は都道府県条例によって細かな差異がある場合があり、開業予定地域の公安委員会規則を必ず確認する必要があります。
【客1人あたりの時間により遊技料金を計算する場合】
- 全自動式の麻雀台:1時間600円
- その他の麻雀台:1時間500円
【麻雀台の台数により遊技料金を計算する場合】
- 全自動式の麻雀台:1時間2,400円
- その他の麻雀台:1時間2,000円
遊技料金以外にドリンク代やチャージ料を設定する場合、実質的に遊技料金の上限を超えると判断されれば違反とみなされる可能性があります。
マージャン(麻雀)店の開業許可申請における注意点
マージャン(麻雀)店は風俗営業4号に該当しますので、以下のような点に注意して開業の準備を進めていきましょう。
許可申請には、営業所周辺図、配置図、求積図、照明・音響設備図など複数の図面作成が必要であり、専門の測量や図面作成が求められることが一般的です。
店舗の場所
マージャン(麻雀)店は風俗営業ですから、場所的規制を受けることになります。性風俗特殊営業ほど厳しくはないものの、どのようなエリアであれば開業許可を得ることができるか、事前に専門家や警察に確認しておくことが大切です。
学校、病院、図書館、児童福祉施設などの保全対象施設から一定距離以内では営業できない距離制限が条例で定められています。
店舗設備の高さ
風営法では、客室の見通しをさえぎるような構造や設備を認めていませんので、マージャン(麻雀)店であれば麻雀卓やイスの高さには特に注意する必要があります。もし、設備の高さが1m以上であれば風営法違反となりますので、高さ99.9㎝までの卓やイスを設置した方が無難でしょう。イスは油圧式で高さを変えられるものがありますが、このタイプのイスを使っている場合はイスの高さを最大まで挙げて警察が測量します。
見通し基準は高さだけでなく、パーテーションや装飾棚なども対象となるため、内装デザインにも注意が必要です。
賭け麻雀を思わせる掲示物
仮に賭けマージャン(麻雀)が行われていた場合、レートが店内に掲示されていることもあるようです。お金を賭けたマージャン(麻雀)は賭博であり、罪に問われますので、賭けマージャン(麻雀)の実施はもちろん掲示物があってもいけません。
ポイントカードやランキング表示であっても、金銭的利益を想起させる表現は射幸心をあおると判断される場合があります。
また、これらの掲示物は射幸心をそそるものとしてみなされますので、賭けマージャン(麻雀)店でなくとも注意した方がいい点になります。どのようなものが「射幸心をそそるもの」としてみられる可能性があるかは、風営法に詳しい専門家または警察に確認してみるといいでしょう。
客室の施錠
店外への出入り口を除き、客室内には施錠の設備を設けてはいけません。非常口についても内側から容易に開放できる構造である必要があります。
店舗内の明るさ
店内の明るさが10ルクス以下の場合、風営法違反となりますので、常に10ルクスを超えるような構造あるいは設備の用意が求められます。照度は営業中だけでなく、立入検査時にも計測されるため、調光式照明の場合でも基準を下回らない設定が必要です。
騒音や振動
騒音や振動については自治体の条例により数値が定められています。北海道の場合は条例で55デシベルまでとなっていますが、特に音に注意した方がいいエリアでは50デシベルまでとしています。深夜帯はさらに厳しい基準が適用される場合があり、防音工事や床の振動対策が必要になることもあります。
まとめ
マージャン(麻雀)店を開業する際には、物件の構造や卓、イスなどの設備に細心の注意を払わなければなりません。風営法をよく理解しないまま物件契約や設備投資してしまうことは避けたいところです。当事務所では、風営法に詳しい警察OBを含むスタッフと経験豊富な行政書士が対応しておりますので、ぜひ開業準備の時点からご相談いただき、違反とならない出店計画を立てていきましょう。








